逃走中。と映画『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』と書籍マルタ・アルゲリッチ『子供と魔法』
- 2020.09.01
- 母さんのひとりビブリオ 映画
- アルゲリッチ
おもしろいよねー、逃走中。
かくいう私も子供が寝たあとに旦那さんと二人で視聴。
ハンターが新型コロナの影響でマスク&手袋姿。暑い中本当に大変だったと思います。
久々の逃走中、かなり面白かったです。
さて先日、BSで映画『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』が放送されていたので見ました。
アルゲリッチ、名前は知っているけどあんまりどんな人か知らなくて
「私こそ、音楽!」ってタイトルから察するにめちゃくちゃ我の強い女性なのかしら…
なんて思ってたら全然違いました。もちろんとんでもない才能なんだけど、本人はいたって自然。
撮影はアルゲリッチが昔、娘さんにビデオカメラをプレゼントしたことがキッカケで娘さんが撮影するように。
なのでとっても自然な表情が撮れています。
ちなみにアルゲリッチの3人の娘は、皆名字が違います。
長女はリダ・チェン、次女はアニー・デュトワ、3女はステファニー・アルゲリッチ。
長女は1964年生まれで、父は中国人指揮者ロバート・チェン。
次女は1970年生まれ、父はN響の名誉音楽監督でもあるスイス人指揮者シャルル・デュトワ。
三女は1975年生まれ、父は米国生まれのピアニスト スティーヴン・コヴァセヴィッチ。
上の2人の父親はマルタと婚姻関係にあったので父の名字がついているけど、三女の父とは結婚をしていない為、戸籍上、彼女の父欄は「不明」となっているらしく、
またそういった関係の書類を紛失していて、
娘さんが16年前から認知を求めているのにまだできていない…ってところに
「公的な書類は絶対になくしちゃだめ」
って改めて思いました…。
この映画で一番学んだことです。
アルゲリッチもコヴァセヴィチも国を転々としているので、公的な書類を再発行する場合にもまぁ大変。
そりゃ娘さん、泣くよね…。
娘さんが撮影しているので、本当に自然体なアルゲリッチが映し出されていて、それがまた素敵。
でもやっぱり「私こそ、音楽」って
邦題が悪すぎるよね…。
映画の中で長女が生まれてすぐに養育院に預けられ、ほぼアルゲリッチと暮らしていない。
しかも、マルタの母ファニータが長女を養育院から勝手に連れ出すという事件(誘拐事件として扱われた)から、結局アルゲリッチは長女の親権を失うことに。
このあたりも映画ではあまり語られていなかったけど、書籍アルゲリッチ『子供と魔法』を見ていろいろと納得。いろいろと大変だったんですね…。
映画って演出的なシーンが多くてあまり多くを語らないので、映画だけで「うーん…」って思ったらこちらの書籍を見ることをおすすめします。
アルゲリッチのプライベートなあれこれ、アルゲリッチ以外の音楽家のプライベートなあれこれ、ここには書ききれないほどてんこ盛り。
チェロっ子ブログなのでチェリストの話も少し。
デュプレや若き日のカプソン、ロストロポーヴィチ、ミッシャー・マイスキーなどチェリストの話もチラホラ出てくるのですが、一番印象に残ったのは、
ピエール・フルニエの妻、リダ。
頭に浮かんだことはそのまま無邪気に口に出してしまう性格。でもとっても魅力的な人物だったそう。
リダは浮気症で出てくる名前がまぁビッグネーム…。いろんな恋愛を経てチェロ奏者のグレゴール・ピアディゴルスキーと結婚し、後にフルニエと結婚。
フルニエの前で「前の旦那さんの演奏は〇〇だったけど、あなたは〇〇よね~。」とか平気で言ってたそうです。
フルニエはその比較発言にイライラしてたらしい…。
だよね…恐ろしい…リダ恐ろしや…。
そんなリダさんの人柄がアルゲリッチも大好きだったようで長女に『リダ』とつけたそうな。
音楽に疎い私ですら知っている名前がわらわらと出てきます。そして内容が濃い!ここまで赤裸々に語れるのがすごいっす…。
マルタ・アルゲリッチ 子供と魔法 [ オリヴィエ・ベラミー ]
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