チェロの教本(鈴木鎮一 チェロ指導曲集 編)

《最終更新日:2019/11/01》

チェロの教本は何冊かあります。その中でもまずは一番スタンダードなスズキメソードで使われる『鈴木鎮一 チェロ指導曲集』をご紹介します。

皆さんおなじみスズキ・メソードの教本です。1~8巻まであります。ヴァイオリンも有名ですよね(むしろそっちのが有名)。素晴らしいのは伴奏譜と日本チェロ界の巨匠、堤剛先生が演奏したCDがついています。ぜ、贅沢。

ちなみに堤先生、録音するにあたって一番難しかったのはなんと『きらきら星変奏曲』だったそうです。まず分数チェロっ子が曲として最初に弾くのがこの曲だと思います。スタンダードすぎるゆえ、たくさんの先生が納得するようなアーティキュレーションをつけるのが大変苦労されたとか。深い。


鈴木鎮一 チェロ指導曲集 第1巻


  1. キラキラ星変奏曲 / 鈴木鎮一
  2. フランス民謡 / フランス民謡
  3. ちょうちょう / ドイツ民謡
  4. 小ぎつね / ドイツ民謡
  5. むすんでひらいて / フランス民謡
  6. クリスマスのうた / ドイツ民謡
  7. かすみか雲か / ドイツ民謡
  8. アレグロ / 鈴木鎮一
  9. 無窮動(むきゅうどう) / 鈴木鎮一
  10. ロング・ロング・アゴー / ベイリー
  11. アレグレット / 鈴木鎮一
  12. 楽しい朝 / 鈴木鎮一
  13. リゴードン / パーセル
  14. 習作 / 鈴木鎮一
  15. 楽しき農夫 / ロベルト・シューマン
  16. ハ長調のメヌエット / J.S.バッハ
  17. メヌエット第2番 / J.S.バッハ

外国の民謡が多数収録されています。鈴木鎮一先生の書いた曲が素晴らしくて、わが子は無窮動とアレグレットを何回も弾いて楽しんでいました。。


鈴木鎮一 チェロ指導曲集 第2巻


  1. ロング・ロング・アゴー / ベイリー
  2. 五月の歌 / モーツァルト
  3. メヌエット 第1番 / J.S.バッハ
  4. メヌエット 第3番 / J.S.バッハ
  5. 合唱 〈ユダス・マカベウス〉より / ヘンデル
  6. 狩人の合唱 / ウェーバー
  7. ミュゼット / J.S.バッハ
  8. マーチ ト長調 / J.S.バッハ
  9. 「妖精の踊り」のテーマ / パガニーニ
  10. 2人の擲弾兵 / ロベルト・シューマン
  11. ガヴォット / ゴセック
  12. ブーレ / ヘンデル

再びロング・ロング・アゴーです。第1巻と調を変えて登場。 4番の指がたくさん出てくるので、指を開いて音を取る練習にもなります。

ドラクエ3に例えると、一度倒したはずのカンダタがちょっと強くなって再び登場するあのパターンですね。鈴木の教本はそのパターンが多いので倒したと思っても油断は禁物です。第2巻のJ.S.バッハの出現率の高さよ。アリアハンのスライム並です。


鈴木鎮一 チェロ指導曲集 第3巻


  1. 子守歌 / シューベルト
  2. ガヴォット / リュリ
  3. メヌエット / ボッケリーニ
  4. スケルツォ / ウェブスター
  5. ト調のメヌエット / ベートーヴェン
  6. ハ短調のガボット / J.S.バッハ
  7. メヌエット第3番 / J.S.バッハ
  8. ユーモレスク / ドヴォルジャーク
  9. 金婚式 / マリー
  10. アレグロ・モデラート / J.S.バッハ

さぁ3巻です。電話をしたときに相手の保留音がボッケリーニのメヌエットのことがよくあって、勝手にボッケリーニと縁があるんじゃないかと思っています。

そして子供がみんな大好き『スケルツォ』。発表会では序盤に飛ばしすぎて、途中で止まってしまうということがよく見られます。でもそれぐらい子供が楽しく勢いづいて弾ける曲です。

個人的にマリーの金婚式が大好きで、この曲を聞くと50年間いろいろあったんだなぁと感じてしまいます。私も主人と住み始めて3日でケンカしました。そりゃ50年も一緒にいればいろいろあるよね…。

バッハのアレグロ・モデラートも好きです。聞けば聞くほど、新しい発見があります。やっぱりJ.S.バッハすごい。


鈴木鎮一 チェロ指導曲集 第4巻


  1. ソナタ ハ長調 / ブレヴァール
  2. ソナタ ホ短調 / マルチェロ
  3. 無伴奏チェロ組曲 第1番より メヌエット / J.S.バッハ
  4. シャンソン・トリステ / チャイコフスキー

4巻になるとぐっと収録曲が少なくなります。理由は簡単。曲の難易度が上がるから。
はじめてのチェロソナタも出てきます。

そしてチェロ弾きみんなが憧れるバッハの無伴奏チェロ組曲第1番よりメヌエットが登場。何がいいかって無伴奏は伴奏者なしで大丈夫なんです。伴奏代が浮きます。弾いてるとかっこよく見えます。でもリズムとか拍とかミスったら、全責任を自分が負うことになります。


鈴木鎮一 チェロ指導曲集 第5巻


  1. ソナタ ホ短調 / ヴィヴァルディ
  2. ダンス・ラスティック / スクワイア
  3. アリオーソ / J.S.バッハ
  4. チェロ協奏曲 第4番 第3楽章 / ゴルターマン

ついにゴルターマンあらわる。よく「今、ゴルターマンやってんだ~。」ってヴァイオリンの子に説明しても「…だれ?それ?」と返されました。ちなみにクレンゲルとポッパーのときも同様の返事でした…。

ちなみにゴルターマンのチェロ協奏曲は第5番までありますが、歳を重ねてとゴルターマンが奏者としての腕が落ちてきて大きな番号ほど簡単だそうです。ゴルターマンの弟子がポッパー。個人的にはダンス・ラスティックが楽しくイギリスの民謡的なメロディーもあって、大好きな曲です。


鈴木鎮一 チェロ指導曲集 第6巻


  1. 白鳥 / サン=サーンス
  2. コンチェルト ニ長調 / ヴィヴァルディ
  3. タランテラ / スクワイア
  4. 2つのチェロのコンチェルト ト短調 / ヴィヴァルディ

ついに飛んできました、白鳥。バッハの無伴奏チェロ組曲とならんで有名なチェロ曲です。この2曲が上手に弾けたらそれだけで聞いている人はメロメロになるのではないでしょうか。でもあなどるなかれ、有名だしスローテンポなのでごまかしが効きません。音程が外れたらすぐにバレます。

そんなあなたに2つのチェロのコンチェルトもおすすめ。男子2人で勢いよく弾けば、2Cellosっぽいし、白鳥よりはなんとかなる気がする。


鈴木鎮一 チェロ指導曲集 第7巻


  1. ソナタ / エックレス
  2. 無伴奏チェロ組曲 第3番より ブーレ
  3. ガヴォット / ポッパー
  4. シチリアーノ / パラディス

ずっと不思議に思っていたことがあって、ゴセックは『ガボット』なのに、ポッパーは『ガヴォット』なのか。きっと『ボ』より『 ヴォ 』のほうが上級者っぽいからですね。うん、きっとそうに違いない。バイオリンよりもヴァイオリンって書いてあるほうが経験者っぽいですもん。

ポッパーもチェロ弾きしか知らない作曲家ですが、ポッパー自身がチェリストだったのでめちゃくちゃかっこいい曲をいっぱい書いてます。ポッパーのエチュードの本もありますが、これは難易度高め。


鈴木鎮一 チェロ指導曲集 第8巻


  1. ソナタ ト短調 / サンマルティーニ
  2. アレグロ・アパッショナート / サン=サーンス
  3. エレジー / フォーレ
  4. スケルツォ / ゲンス

さぁついに鈴木鎮一チェロ指導曲集の教本、最終巻です。ここを抜けると今度はコンチェルト沼が待っています。最後なので楽しんで取り組みたいところです。サン=サーンスのアレグロ・アパッショナートがかっこいいです。この曲は全力で走って、そのまま駆け抜けちゃってください。

と思ったら、最後の最後にゲンスのスケルツォ。アレグロ・アパッショナートで全力で駆け抜けて、エレジーで休憩したような気持ちになって、「まだまだ行けるよ!」とスケルツォが追加され、もう立てません…。まるでシャトルラン(あれほんとに地獄)のようだ…。