原田マハさんの『生きるぼくら』を読みました。
- 2019.09.27
- 母さんのひとりビブリオ
- 生きるぼくら, ひとりビブリオ, 原田マハさん
秋刀魚の秋?
さつまいもの秋?
きのこの秋?
私は『読書の秋』真っ只中(←いたって普通)です。
窓を開けて心地よい風が吹いてくると、図書館に行きたくなる性分みたいで、今怒涛の読書シーズンに突入しています。今読んどかないと次にいつ訪れるかわからないので、『ガンガン読もうぜ!』モードです。
そして突然始まりました。『母さんのひとりビブリオ』のコーナー。
子供の学校で『ビブリオバトル』なるものが流行っているらしく、最初は聞き慣れない単語に「なるほど。車のミニカーで遊ぶのか」なんて思っていたのですが、どうやら違うようで、ビブリオとは古代ギリシア語で『本』を意味し、ビブリオバトルの公式ルールは↓
・発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
・順番に一人5分間で本を紹介する。
・それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う。
・全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする。
— ビブリオバトル普及委員会、ビブリオバトル公式ルールより
(Wikipediaより引用)
らしいです、なので私がビブリオと勘違いしてたのはホンダのモビリオ。今でも街中で見るとその独特なフォルムに癒やされます。
ママ友に「ねぇ!ビブリオバトルしない?」なんて声をかける勇気もないし、ひとりでひっそりと活動しているので、ひとりビブリオはじめます。5分も話しません。夕食をつくるのと同じでチャッチャと終えます。
まず初めてのビブリオ作品は昨日の記事のSWITCHインタビューで大野和士さんと対談していた原田マハさんの作品が気になったので、マハさんの『生きるぼくら』です。
生きるぼくら [ 原田マハ ]
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あらすじは、
いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生(あそうじんせい)。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから? 人生は四年ぶりに外へ! 祖母のいる蓼科(たてしな)へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた──。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。(Amazonの商品説明より)
というお話。以下ネタバレを含みます↓
原田さんの文章は初めて読んだのですが、すごく読みやすくて、展開も面白く、この作品は3時間ほどで読み終えました。私は物忘れが激しいので、速く読まないとすぐに「あれ?これ人は何した人だっけ?」となります。なので超特急でいつも読まないと!です。
主人公の男の子が父親が蒸発したことをきっかけに同級生にいじめられ、なんとか耐えていたけど、ある日心も体も限界を迎えてとうとう学校にいけなくなってしまいます。同級生のいじめ方がすごい卑劣で、そのいじめの中でお母さんがつくってくれた梅干しが食べられなくなるエピソードが本当に胸が痛みました。何年か引きこもり生活をしていたある日突然、頼みの綱である母親が失踪。主人公はパニックになりながらも、少ない手がかりを頼りに外に出ることを決意します。
そして父親がまだいた頃によく遊びに行っていた長野県のおばあちゃん家を訪ねることに。はじめは外出することも、電車に乗ることもままならなかった主人公が、少しずつ強さを身に着けてどうにかしてやっとおばあちゃん家にたどり着くも、なんとおばあちゃんは認知症になっていて、主人公のことを覚えていませんでした…。そこから主人公は弱くなったり強くなったり、最後には…。いろんな事が起きて、さぁ次はどうなる?みたいな感じてどんどん読めちゃいます。
最後のクライマックスで私、大号泣しました。ちょうど子供がチェロの練習しているときだったので、見られないようにブランケットにくるまって、泣いた泣いた。
子供に『怪しいやつ』と思われたかもしれん。
すぐ読めるし、読んだあとに元気出ました。主人公の若さゆえの無鉄砲さも沁みるし、まわりの人の優しさに救われる。人っていいいなぁって思えました。
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