2019年11月21日放送 読響シンフォニックライブ、アルバン・ゲルハルト。プフィッツナー作曲 チェロ協奏曲(遺作)

あまり演奏されないチェロ協奏曲が読売シンフォニックライブでオンエアされていました。

ちょうど、チェロ協奏曲のコンサートって、1にドヴォルザーク、2にエルガー、3にハイドン、ごくまれにラロぐらいしかない。そろそろ違うのも聞きたい!なんて思ってた矢先。

プフィッツナー作曲のチェロ協奏曲イ短調(遺作)。
この曲、知りませんでした。はじめて聞きました。

指揮はセバスティアン・ヴァイグレさん。
チェロ独奏はドイツのチェロ界の皇帝、アルバン・ゲルハルトさん。ゲルハルトさん、プフィッツナーのチェロ協奏曲について↓

「この曲は非常にドイツ的なロマン派の音楽です。彼の音楽は保守的時代遅れと言われ、あまり演奏されません。しかし作曲された時代はいつであっても、演奏されるべき素晴らしい曲に変わりありません。彼はどの作曲家とも違う独特な表現方法を持っています。でもドイツの森のように複雑ではなく、とても聞きやすいです。」

「リハーサルでヴァイグレは“私たちはこの曲を楽しんで演奏している。きっと聴衆も古き良きドイツの情熱を感じ取って喜んでくれるだろう”と言っていました。」

「この曲は美しい旋律が随所に出てきますが、私は母のことを考えています。母は歌手だったので、声との深いつながりを常に感じています。10年前に亡くなった母ならばどのように歌うだろうかと考え、母が私の中で生き続けていることを感じながら演奏します。」

ゲルハルトさんの弾き方が、顔を上げてずっと正面を向いていて、訴えかけてくるよう。最後の方では私もチェロじゃなくて歌を聴いている感覚になりました。それぐらい美しくて自然なメロディー。

やっぱり弾き姿大事。

ドイツの人が、ドイツの埋もれたチェロ協奏曲をまっすぐなまなざしで弾く。それだけで説得力がめちゃくちゃある。プフィッツナーのチェロ協奏曲を伝え弾くのはこの人しかいない!って思えるぐらいの演奏。

ちなみにゲルハルトさん。リハでも本番でも難聴予防のためかイヤープロテクターをしていました。私も大きな音を聞くと、右耳が少し変な感じになるので、ほしいなぁ。

そしてロマンティックな旋律をずっと後ろで支えていたオケの方々。特にオーボエ首席奏者の蠣崎耕三(かきざき こうぞう)さんがソロ並みの大活躍っぷり。素晴らしかったです。

『この曲は1888年に作曲。1977年に初演されています。タイトルの最後に『遺作』とつけてありますが、プフィッツナーにはチェロ協奏曲が3曲あって、そのうち2曲にはちゃんと作品番号が振られています。この作品は20歳前の学生時代に作曲し、確かブルッフに送付して検討してもらう過程で紛失し、そのまま行方不明になっていたとか。プフィッツナーが記憶を頼りに再現したのが仮に2番とされている作品52のイ短調。ところが1975年になって譜面が発見され、初演されたのは1977年2月18日にヴュルツブルクに於いてだったそうです。オリジナルのイ短調は「遺作」と表記されていますが、作曲者が完成途中で死去したことによる遺作ではなく、失われていた譜面が再発見されたことによる遺作です。』(希魚亭(きぎょてい)さんのブログより

20歳前という若い年齢でつくった作品なので、純粋にひたすらにロマンティック、そしてのびやか。

私も実は遺作エピソードが。

「学校に提出しなくちゃいけないプリントを無くしちゃった!」と思ってたら、書類の隙間からでてきたこと多々あり。めんどくさいのよね。学校の無駄なプリントの間に入ってる重要なプリント。ちゃんと【重要】【提出厳守】とか書いといてほしい。私の死後、遺作として発表しようか。

そんなことはどうでもよくて、

他にもいろんなチェロ協奏曲を聞きたくなった素晴らしい曲&素晴らしい演奏でした。

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