2019年7月10日放送『笑ってコラえて・長距離バス一期一会の旅』まさかのあの楽器が登場!

そんなにチェロのネタってないよね…、書くことないよね。なんて思ってたら。こんな出来事が。

今、さらっている曲がバロック時代の曲で、先日のレッスンで先生から、
「この時代はバロック時代の曲。この曲も、もともとヴィオラ・ダ・ガンバ用に作られたんだよ。だから重音も元々はアップボウで弾いてたから、そこを意識して音をつくってごらん。」

ってな感じのレッスンがあり、レッスン後に先生がYouTubeでヴィオラ・ダ・ガンバの演奏を見せてくれました。

以前、BSのクラシッククラブでジョルディ・サヴァールさんのヴィオラ・ダ・ガンバのリサイタルを見たことがありますが、何年も前の話。

そんなやり取りがあり、先日歯医者に行ったとき。
ちょうど『笑ってコラえて』の長距離バス一期一会の旅が放送されていて、新人ディレクターがバスの待合室で声がけをして取材交渉をするというもの。
今回は松山市駅にあるバスターミナルでのロケ。

何人もの人に声をかけますが、新人だからかなかなか決断力と勇気がなく、取材対象が見つからず。

そして楽器をもっている女性に声がけ。
私はケースの形的に「管楽器かな?」と思っていたら、

新人ディレクター
「ちなみにその楽器は?」

女性
「ヴィオラ・ダ・ガンバです。」

なんとヴィオラ・ダ・ガンバ!

直近のレッスンで、先生とヴィオラ・ダ・ガンバの話をしたばっかりですよ。

ちなみにその女性は、取材オッケーとのことで密着することに。女性のお名前は山下さん。
松山駅から高知にヴィオラ・ダ・ガンバを習いに行く女性。昔、その高知のお教室には、つのだ☆ひろさんのお兄さんであるリュート奏者のつのだたかしさんも来ていたそう。

て、ここで歯医者さんに呼ばれそうだったので、主人に電話して、

「日テレ!今すぐ録画!よろしく!」

とお願い。

「え~、録画の仕方だいじょうぶかなぁ~」

と機械に弱いアピール。(40超えたおっさんが何言ってんねん!)と、かなりイラッとしたけど、頼れるのは頼りない主人だけなので、

「録画の神様、お願い。主人に日テレを録画する力をお与えください。」

と全然神様にお願いしなくてもいいレベルのお願いをしました。まさに願い事のムダ遣い。

そしてここからは帰ってきてから、落ち着いて見た内容(無事に録画できてた。録画の神様に感謝。)です。


現地につき、お教室であるお宅へ、お教室を主催している絵本作家の奥様が迎えてくれます。そしてヴィオラ・ダ・ガンバの演奏グループ『アンサンブル・ドーナツ』を主催する絵本作家・横田稔さんが登場。御年77歳です。横田稔さんの公式サイトはこちらです。

デビュー作である『はなののびるおうさま』で、ドイツ・ライプツィヒ国際図書展・児童書部門で銀賞に輝きます。
絵本には王様がヴィオラ・ダ・ガンバを弾いている姿の絵も。そしてシリーズ化されるほどのヒット作となりました。

その後、横田さんは自身の出版社『草原社』を設立。また文学者・堀口大學さんとも親交があり、堀口さんが翻訳したセルバンテスの『ドン・キホーテ』を48部限定の豪華版で出版。もちろん制作は全て手作り。

そしてここから、ヴィオラ・ダ・ガンバの紹介。
ヴィオラ・ダ・ガンバは、サイズと出せる音域で大きく3種類に分けられます。
まずは最もサイズが大きい低音域のバスガンバ。続いては中音域のテナーガンバ。そして一番小さい高音域のトレブルガンバ。

弓はバロック弓。持ち方はコントラバスの弓の持ち方と似ていて、下から持ちます。

バイオリンやチェロとまず違うところは、指板にフレットがあること。押さえる場所の目印がちゃんとあるので音程をとることが苦になりません。

一方、チェロやバイオリンはフレットが無いので、自分の感覚で押さえて音を作らないといけません。

山下さん
「ヴィオラ・ダ・ガンバは、フレットがあることによって、私のようなあまり音楽ができない人でも、ちゃんと音階を取れます。」

私も以前、子供がチェロを始めたときに一緒にチェロを習いはじめたのですが、音程取りで挫折したので、フレットありのヴィオラ・ダ・ガンバいいかも。

支え方は、足で挟んむ。これが『ガンバ』と言われる理由です。チェロの場合、床にエンドピンを刺して、立てますよね。『ガンバ』は、イタリア語で、足とか膝とかって意味。ガンバ大阪のガンバと同じです。足で支えるヴィオラという意味で、ヴィオラ・ダ・ガンバ。

弦はもちろん羊の腸から作ったガット弦。

新人ディレクター
「1台、おいくらですか?」

横田さん
「頭がついてる装飾(チェロでいう渦巻きあたりに人の顔の彫刻が付いてる)だけで、70万~80万します。」

新人ディレクター
「ウン百万の値段ということですか?」

横田さん
「そういうことです。」

そして、演奏会に向けての練習が始まります。曲はラクリメ~昔の涙~。

夫妻と楽器の出会いは、ある時ヴィオラ・ダ・ガンバの演奏会を聴いた横田さんの奥様が

「あれならば、これから初めてもできるんじゃないかしら」と思ったことがきっかけ。

そして素敵な演奏グループ、アンサンブル・ドーナツが結成されました。

ここで先輩ディレクターが、
「映画の耳をすませばに出てきたやつみたいな?」

横田さん
「あ、あれガンバです。」

先輩ディレクター
「え?そうなんですか!」

スタジオジブリの映画『耳をすませば』の1シーンで弾かれてるのがまさにヴィオラ・ダ・ガンバ。しかもあのシーンで実際に演奏していたヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の福沢宏さんも、なんと横田さんの友人。かつてはこの横田さん家を訪れ、一緒に練習していたという。

その後も新人ディレクターさんが楽器に触れさせてもらうなどして、時刻は午後9時30分。

ご飯よりロケを優先し、金曜のお昼からここまで4食何も食べていない新人ディレクター。そして横田さん夫妻の家で夕食をご馳走になります。

この日のメイン、高知といえば『カツオのたたき』

4食抜いた後のカツオのたたきはきっと美味しいですよね。ちなみに私もカツオのたたきが大好きでたまにふるさと納税で、高知の藁焼きのカツオのたたきを申し込みます。

そして次の日、山下さんが、
「私についてきて正解でしょ」と満足げな顔。
正解、大正解。まさか私もヴィオラ・ダ・ガンバに出会えるとは思っていませんでしたもん。

そして翌朝、再び横田さんのお宅を訪れてます。横田さん、別の場所で練習すると言います。

横田さん
「今から教会で練習します。」

そしてその教会はは自宅の斜め前。そんなことある?わが家から最寄りのコンビニより近いよ。

横田さん
「ヴィオラ・ダ・ガンバと教会の相性はいいですよね。天井が高いから、すごく音も響きます。」

この日はオルガン担当の方も駆けつけ、馴染みのある曲を演奏してくれました。
曲は賛美歌「いつくしみ深き」

フレーズの始まりは全てアップボウから。結婚式で演奏される機会が多く教会に馴染みがない人でも一度は耳にしたことがあるはず。4本のヴィオラ・ダ・ガンバで演奏です。

新人ディレクター
「なんか結婚したくなってきました。」

横田さん
「取材に来ていただいて、邪魔どころかね、これからガンバを広めていただける大事なお人ですから。教会で演奏するというわけでしょ。神が遣わせてくれたんです。」

いやー、もう素敵な人。私、すでにヴィオラ・ダ・ガンバはじめたいですもん。さっきヴィオラ・ダ・ガンバの通販サイト見ましたもん。

そしてまたバスに乗って松山へと帰る山下さんをお見送り。

新人ディレクター
「二日間行動を共にしてみて、どうでした?」

山下さん
「いや、もうなんか母のような気持ちで、 温かく見守りたいなって。」

新人ディレクター
「僕もちょっとお母さんに近いような。」

山下さん
「そうでしょ~。」

運命の力に導かれて、今回の一期一会の旅はこれにて終了。

スタジオ収録に戻り、ゲストの唐沢寿明さんがヴィオラ・ダ・ガンバについて話します。

唐沢寿明さん
「膝で抱えて、楽器を鳴らすということはきっとすごく振動とか感じますよね?五感を刺激する感じが、古い車とかエンジンの音と同じで感動的なんじゃないかな。すごくわ〜ってなるんだろうなっていう。」

所ジョージさん
「僕もそう思います。」

ってな感じて放送は次のコーナーへ。いつか所さんがヴィオラ・ダ・ガンバを弾く日が来るのかな?世田谷ベースにヴィオラ・ダ・ガンバが飾られるのかな?
とにかく素敵な一期一会の旅でした。

またヴィオラ・ダ・ガンバを弾いている皆様がステキ。おおらかというか。
すてきなガンヴィストの皆様や優しい音色を聞いて、すっかりヴィオラ・ダ・ガンバに魅了された私。

今なら街中で急に、
「ヴィオラ・ダ?」

と聞かれても、
「ガンバ!」

って答える自信アリ。


先日のレッスンでヴィオラ・ダ・ガンバの話が出て、まさかのヴィオラ・ダ・ガンバかぶり!こんなことある?宝くじに当たったような気分です。
しかも『笑ってコラえて』は、練習してる時間とかぶるので年間通してもほぼ見ない。

しかも以前も、たまたま来たときにチェロカフェの特集をしていたこの歯医者さん。ネタに困ったときにはこの歯医者の待合室に来ればいいのかもしれない。私にとってのお告げの場所かもしれません。

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