2019年4月30日放送。私は左手のピアニスト(5) 第1回 左手のピアノ国際コンクール『左手の曲は、作曲家が頑張ってダイナミックにしようとしてる。』早坂眞子さん

昨日からの続きです。

本選に残った6人の中で注目されたのが最年少の高校生、早坂眞子(はやさか まこ)さん、18歳です。

早坂さんは現在、東京音楽大学付属高校の3年生。2年生の冬、ジストニアの症状が出ました。

小学生の時から数々のコンクールで受賞を重ね、プロのピアニストになるため宮城県から上京しています。ジストニアになってまだ1年にも満たない早坂さん。両手の演奏と違って戸惑うことの連続です。

東京音大の鷲見加寿子先生とのレッスンの様子が映し出されます。

先生
「ここのね、これが全部旋律に聞こえるように弾かないと。移る時にちょっと時間かかってるのよね。だからそれを速くして。あんまりこうやると時間がかかっちゃうから、自分で訓練しないと。」

早坂さん
「はい。」

先生
「ここの指使いどうしてるの?親指だから出るはずなのよ。」

淡々と練習を重ねる早坂さん。しかし心の内は違っていました。

先生
「眞子ちゃんのメールには『ジストニアは治らない病気だと言われて、すごくショックだった』って書いてありましたね。あんまり落ち込んだとかそういうのは見せないんですよね。絶対に見せないので。とにかく一生懸命やるという態度しか見せないんですよ。余計ね、心が痛くなっちゃって。」


打ち明けられなかった思いを察してくれた友達がいました。

早坂さん
「私の母に『早坂、大丈夫ですか?』って聞いてくれて。それを母が私に教えてくれて、それを聞いて、思っていてくれて嬉しいなって思いました。」

そのお友達が同級生の山口ほのかさん。

山口さん
「指が思い通りに動かないのが多分自分にとっても悔しいと思うし、弾きたい曲がもしあったとしても弾けないのも辛いので。 ジストニアって治ることある?」

早坂さん
「確立された治療法があるっていうわけじゃないから、治るって言い切れない病気。」

早坂さん
「少し指が上がったり、巻き込んじゃったりという症状が出るから、こういう速いパッセージとか皆みたいには弾けないし。オクターブとか1音で弾くのも結構難しい状態なので。今は左手の曲を一生懸命やってるという感じです。左手だけだから、ダイナミックにならなさそうだけど、作曲家が頑張ってダイナミックにしようとしてるから。ダダダダダみたいなオクターブで、下いったりとかある?」

山口さん
「すごいね、あるの?」

早坂さん
「あるの。上いったりとかね。すごい楽しい。」

山口さん
「弾きにくくない?こっちオクターブで。」

早坂さん
「だから凄い腰をこっち側にして(高い音の鍵盤側に腰を移動させる)、結構ね、腰が痛い。」

山口さん
「おばあちゃんみたい。左手だけの曲は地味なのかなって、失礼ながら思ってたので。」

早坂さん
「派手ですね。」

山口さん
「そのダイナミックさもあるって事に今、驚いています。」


宮城県からは母親と二人で上京してきました。

ここで早坂さんのお母さんが登場。自宅の様子が映し出されます。

早坂さん
「全部、神経研ぎ澄まさないと、やっていけないレッスンを今しています。本当に難しい。」

お母さん
「本当。今の素直な気持ちだね。」

左手のピアノとの出会いは、ピアニストへの夢を再び繋いでくれました。自分の実力が今どのように評価されるのか。最後まで練習に打ち込んでいました。

予選通過者は
高岡準さん
平良久美さん、
瀬川泰代さん、
早坂眞子さん、
恩田鈴華さん、
タイから来たガンさん、以上の6名です。

早坂さん、無事に予選通過です。
さぁ、2日後が勝負の本選。

続きはまた明日。

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