2019年4月28日放送。ショパン・時空の旅人たち9 (2018年ショパン国際ピリオド楽器コンクール)『ついに優勝者が決定!第1回の栄冠は誰の手に?』

さぁ、いよいよファイナル。

ライバルのクシシュトフ・クションジェクさん。ポーランド悲願の優勝を懸け、舞台に上がります。
選んだ曲は
『ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11』
ピアノは力強さと繊細さを兼ね備えたエラール。

クションジェクさんが圧巻の演奏。しかしその直後に思わぬ新星が現れました。

同じポーランドの23歳トマシュ・リッターさん。巧みに取り入れた即興的な演奏、輝くような多彩な音色で終始会場を魅了します。


そして川口成彦さん、いよいよ一世一代の大舞台が始まります。

ワルシャワ時代の若きショパンが見た景色をプレイエルの助けを借りて表現したい。 曲は
『ピアノ協奏曲第2番ヘ短調作品21』

演奏後、拍手喝采です。3度のカーテンコールに応えました。

6人がそれぞれのショパンへの思いをピアノに託したファイナル。最終審査は審査員10名が各出場者に順位をつけ、その票数で優勝者が決められます。果たして第1回の栄冠は誰の手に輝くのか。

発表は入賞となる第3位から。

第3位
「クシシュトフ・クションジェク」

大本命のクションジェクさんが第3位。


第2位
「アレクサンドラ・シフィグッド」

同じくポーランドのシフィグッドさんが第2位。

続いて第2位がもう一人
「ナルヒコ カワグチ」


そして第1位
「トマシュ・リッター」

名誉ある第1回の優勝者は、ポーランドの新星トマシュ・リッターさんに決まりました。
川口さん以外は、みんなショパンと同じくポーランド出身です。

リッターさん
「圧倒されてます。疲れてますが、嬉しいです。フォルテピアノが私を助けてくれた。」

クションジェクさん
「全てはこれから。人生が演奏によって価値が決まります。ますますこのデコボコと完璧ではない、でも親密で暖かい音が気に入りました。」

川口さん
「いやもう色々人生で迷ってた時期もあったんですよ。僕は本当にこのままでいいのかなと思ってた時期もあったので。でもこれをきっかけに、まだピアノを弾くということは絶対続けて行こうと思いました。それももちろんこの古楽器とともに。」

マ・シジャさん。
2020年ショパン国際ピアノコンクールへの挑戦を決めました。

クリントンさん。
大きなレコーディングの話が舞い込み、日夜練習に励んでいるそうです。

クションジェクさん。
来年の春、奥さんとともにピアノデュオコンクールに出場予定。

川口さん。
リアルなショパン弾きの一人として各国で演奏活動を行っています。

若者たちは様々な世界へと導いたフォルテピアノ。2週間の大役を終え、ようやく帰路に着きます。

次の開催は5年後、ショパンと時を巡る旅がまた始まります。


いやー、面白かった。出場者一人ひとりにスポットを当てたら、とても数回で書ききれませんでした。全9回と長くなってすみません。
皆さん元々はモダンピアノの弾き手で、そこからの葛藤もあっただろうし、ここに至るまでの苦悩が垣間見えて、グッと見入ってしまいました。

共通して思ったのは、フォルテピアノ奏者の方々は大人しくて柔らかなイメージだけど、すごく音や表現に対するこだわりを持ってらして。インタビューの受け答えも誰一人として自信満々ではないけれど、内に秘めた音楽に対する深い愛を感じました。
またみなさん「フォルテピアノに救われた」という言葉をたくさん使っていて、モダンピアノでの激しい競争の中、自分自身のアイデンティティを失いそうになったときにフォルテピアノという光が差し込んできたんですね。

いやー、素晴らしかった。川口成彦さんのフォルテピアノ、いつか聞きに行きたいです。

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