2019年10月4日放送 ドキュランドへようこそ『カリスマ指揮者への道』
2016年にドイツで放送されたものなので、審査員がビデオ審査をしているところなど裏側にも密着。本音でズバズバ言ってます。日本のコンクールだったら裏側の密着はいろいろな事情でちょっと無理かも。怖いもの見たさでちょっと見たいけど。かいつまんでですが少しだけ。
2008年に開催されたドイツフランクフルトで開催された第4回ゲオルグショルティ国際指揮者コンクール。2年に1回のこのコンクールには世界中から540人の若手指揮者が応募時点のビデオ審査を通過した24人が本選に招待された。
審査員は言います。
「短い時間、20分かそこらで審査員に自分の実力を見せなければなりません。指揮者としてやっていけるかどうかこの瞬間に決まるんです。」
「私が重視するのはカリスマ性があるかどうかです。だめなのは自分の指揮はかっこよく見えてるだろうか、鏡の前で練習した通りにできているか気にしてる人。そんなことに気を取られていたオーケストラと指揮者の間に気持ちのつながりは生まれません。」
「指揮者には個性がなければなりません。独自のカリスマ性を持っていることが必要です。それがあればオーケストラは指揮者の意図を受け入れるのです。」
ドキュメンタリーで取り上げられていたのは、メキシコ出身のアロンドラ・デ・ラ・パーラさん。23歳の時、自ら交響楽団を立ち上げた。
ウズベキスタン出身のアジス・ショハキモフさん。このコンクール史上最年少のビデオ審査通過者。
イギリスのジェームズ・ロウさん。5年前に東京国際音楽コンクールで2位に入賞。
アメリカのシズオ・Z・クワハラさん。前回2位受賞で今回リベンジを狙っています。
ビデオ審査の舞台裏が映し出されます。
「この候補者は外していいと思う。」
「ショハキモフ、ひどいね。」
「そうかな?」
「これはひどい。」
「途方もない才能の持ち主に見えるが。」
「いや、あんな風にベートーヴェンを振られたら、たまらない。めちゃくちゃじゃない。」
「彼がどういったテクニックで何を表現しようとしているのかよく見てみようじゃないか。」
「彼は金管を全面に押し出している。見た感じはともかくとして私としては夏の夜の夢を聞いてみたいね。」
「これは本物の才能だ。才能が溢れている。彼の中で燃えているんだよ。まだ二十歳そこそこだあれ以上何を望む?」
「良い教師を見つけるべきだ。」
「あの子はいつか大きく化ける気がするね。」
ヒィ~!ですよ。こんな感じで審査員の意見が割れる割れる。そりゃそうだよ。いろんな好みがあるもの。
そして選ばれた何人かオケとリハーサル。30分の間でいろいろと仕上げなくてはいけません。若手だからかオケの人たちもあまり言うことを聞いてくれなくて、経験の少ない出場者はみんなあたふた。
オケの人たち、もっと優しくしよう。車を運転してても教習車とか初心者マーク見かけたら、優しくするじゃん。見ていてこっちがお腹痛くなる。
ちなみに優勝したのはシズオ・Z・クワハラさん。
ウズベキスタン出身のショハキモフさんは2次審査で破れてしまいましたが、その異才ぶりを発揮していました。その後、ショハキモフさんは弱冠21歳でマーラー国際指揮者コンクール第2位入賞して一躍注目を集め、2011年シーズンにドレスデン国立歌劇場管弦楽団、ボローニャ歌劇場管弦楽団、シンフォナ・ヴァルソヴィアを指揮。2012年はミラノ・ヴェルディ管弦楽団、デュッセルドルフ交響楽団、オレゴン交響楽団、2013年にはパシフィック交響楽団にデビューするなど活動の場を世界中に広げつつあります。
素人の私が見てもショハキモフさん、すごかったよ。何がすごいか言えませんが、とにかく凄かった。エネルギッシュ。一度見に行きたい。
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