『アンサンブル天下統一』無観客ライブ配信。
『アンサンブル天下統一』無観客ライブ配信。
3月18日(水)の午後10時からでした。場所は西麻布ムジカにて。出演は『アンサンブル天下統一』。
メンバーは、
・長原幸太さん(ヴァイオリン : 読売日本交響楽団コンサートマスター)
・鈴木康浩さん(ヴィオラ:読売日本交響楽団ソロヴィオラ奏者)
・中木健二さん(チェロ:東京藝術大学准教授)
プログラムは↓
・ベートーベン / 弦楽三重奏曲より第1番 第1楽章
・ベートーベン / 弦楽三重奏曲より第2番 第4楽章
・ベートーベン / 弦楽三重奏曲より第4番 第2楽章(←鈴木さんチョイス)
(長原さんが鼻をかむために少し退席)
・ベートーベン / 弦楽三重奏曲より第1番 第4楽章(←中木さんチョイス)
・ベートーベン / 弦楽三重奏のためのセレナーデ 第4楽章(←長原さんチョイス)
・↑同じ曲で長原さんが華麗なステップを踏みながら(しかも途中で足をつるアクシデント発生)(47:50秒あたり)
・モーツァルト(松本望編)/ オペラ「魔笛」の主題による組曲(メンバーによる演技、セリフ、歌つき!)
アンコールは
・J.S.バッハ / ゴルトベルク変奏曲より「クオドリベット」「アリア」
合間のMC。
長原さん
「2月最終週前からコンサートがキャンセルになり、人前で弾くのは1ヶ月ぶり。」
長原さん
「ヴィオラの鈴木さんは年間365日?362日働いているけど、急にお仕事が無くなってどうやって過ごしているんですか?」
鈴木さん
「まず言いたいのはコンサートを楽しみにしてくださっていたお客さんに残念な思いをさせてしまいました。思いがけず休みがすごいできた。30歳で読響に入ってから今43歳ですけど、ずっと忙しくてまとまった休みがなくて。で1、2日と休みがあっても次の曲をさらわないといけないから、結局ボーッとする時間がなかったんですけど。3月1日に中木さんとコンサートをしてからそれ以降の演奏会がすべてキャンセルになったので、3月2日から10日までは何もしてません。」
鈴木さん
「3月1日の名古屋のコンサート以降、ヴァイオリンケースを開けなかったので、11日の弟子のレッスンで久しぶりに(ヴァイオリンに)東京の空気を。」
(一同笑い)
鈴木さん
「もうね、手は動かないけど、健康的。楽器も急に生き返っていい音が。それまでは…寝てました。YouTube見てました。テレビを見て、家でゲームをしてマッサージチェアにのりつつ猫と戯れて。」
長原さん
「廃人?」
鈴木さん
「はいはい。ニートですね。」
長原さん
「そういうのって楽しめる人?」
鈴木さん
「めちゃくちゃ楽しい。家でゴロゴロしてるの大好きなんで。」
長原さん
「じゃあ今後収束しても、お休みはたくさん取りたい?」
鈴木さん
「…えっと去年、海外の友達と“3週間は休みがあったほうがいい”って話してて。1週目で休み方を覚えて、2週目でまるまるリラックスすることを覚えて、3週目で練習したりして戻っていく。仕事モードに。それを来年やろうと思ってたの。」
長原さん
「なるほど。」
鈴木さん
「でも思いがけずやってきて、まだ復帰してない。」
長原さん
「2日から11日まで休んだんでしょ?で、エンジンはかかってますか?」
鈴木さん
「えっと3日だけ…」
長原さん
「じゃあ次はリハビリの曲ということでよろしいですか?」
鈴木さん
「…はい」
また別の曲の合間。
長原さん
「中木くんは東京藝大の先生をしてるけど、突然学校が休校になってどんな対応をしたの?」
中木さん
「今年は1次、2次は普通に行われたけど、3次試験のソルフェージュ・ピアノは大勢が同じ場所に集まるからって中止になった。」
長原さん
「そうなの?」
中木さん
「河野(文昭)先生も“東京藝大に勤めて30年になるけど、こんなことは初めてだ”って仰ってました。」
長原さん
「へぇー。」
少し沈黙。
長原さん
「じゃあ今年の東京藝大チェロ科の入試課題曲、ちょっと弾いてみてよ。」
中木さん
「えっ?今?」
長原さん
「うん。」
と言われて
・音階(←1次試験の課題)
・J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第1番よりクーラント(←2次試験の課題)
・ハイドンのチェロ協奏曲第1番から第2・3楽章(←2次試験の課題)
の一部をちょちょいと演奏。
演奏が終わり、
長原さん
「今の演奏の出来だと受かるの?」
中木さん
「うーん、厳しいかも…」
(みんな爆笑)
長原さん
「今のこのご時世、レッスンや演奏会が無くなったりして、自宅にいる学生さんやアマチュアのチェリストの方になにかアドバイスをお願いします。」
中木さん
「これを機会に自分の音や楽器と向き合って、いつか来る次の演奏機会を励みに頑張ることかな。」
長原さん
「何か…
「具体的なことは何も言ってないよね。」
(みんな爆笑)
みたいなやり取りがありました。
曲間で長原さんが鼻をかみに行き、急に時間ができて中木さんが次の曲のいい話をしようとしたら、
「フーン、フーン フーン、フーン(長原さんが鼻をかむ音)」
長原さんが自由すぎる…。
最後のモーツァルトの『魔笛』は、ちょうど先日DVDを家で見たばかりなので嬉しかったです。今ならめちゃくちゃ詳しいよ(でも1週間後には忘れてる)。
パパゲーノがかわいくて大好き(主役のタミーノの存在感のなさよ)。
序曲から始まり、おいらは鳥刺し、夜の女王アリアなどなど。
パパゲーノが絶望し、3つ数えたら首吊り自殺をはかろうとする『パ、パ、パ、パパゲーナ』の長原さんの演技が超必見(1:04:58あたり)。
その後の中木さんと鈴木さんの歌も素敵。
こんな素敵なコンサートが自宅で、無料で、
担々麺を食べながら見られるなんて。
こんな素敵なコンサート、料金をちゃんと払いたい。そういう仕組みないのかしら。めちゃくちゃ楽しませてもらいました。
昨夜のライブ配信の動画↓
私が持っているの魔笛のDVDはこちら↓映像は古いけどスタジオ収録なので、場面が切り替わって飽きずに見やすいです。日本語字幕付きで解説もついてる。せっかくの休校期間、子供とオペラでも見ませんか?
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