2019年12月27日鑑賞 6人の若獅子が集う奇跡のチェロアンサンブルvol.3

2019年、最後の記事です。

年末、上野に6頭のライオンを見に行ってきました。

正確にはこれ↓
6人の若獅子が集う奇跡のチェロアンサンブルvol.3。

メンバーは、
辻本玲さん(2003年日本音楽コンクール第2位)、

伊藤悠貴さん(2010年ブラームス国際コンクール優勝)、

小林幸太郎さん(泉の森チェロコンクールにて史上初の全部門制覇、アレンジャーとして大活躍中)、

伊東裕さん(2008年日本音楽コンクール第1位)、

岡本侑也さん(2017年エリザベート王妃国際音楽コンクール第2位)、

上野通明さん(2009年若い演奏家のためのチャイコフスキー国際音楽コンクール日本人初の優勝)

と「コンクールってこんなに案外と簡単に賞もらえるのね〜」なんて勘違いしてしまうような輝かしい経歴の持ち主ばっかり。違うのよ。この人たちがすごすぎるんです。勘違いしちゃダメ。絶対。

プログラムは、
【前半】
・小林幸太郎:ファンファーレ(小林、辻本、伊藤、岡本、伊東、上野)

・E.ブロッホ:「ユダヤ人の生活」より祈り(ソロ:上野 / 伊東、小林、伊藤、辻本)

・G.ガーシュイン:3つのプレリュードより第1、3曲(ソロ:岡本 / 小林、伊藤、辻本、上野)

・D.ポッパー:アルバムの一葉(ソロ:伊東 / 伊藤、辻本、上野、岡本)

・A.ドヴォルザーク:我が母の教え給いし歌 op.55-4(ソロ:小林 / 辻本、上野、岡本、伊東)

・S.ラフマニノフ:夜のしじま op.4-3(ソロ:伊藤 / 上野、岡本、伊東、小林)

・F.メンデルスゾーン:無言歌 op.109(ソロ:辻本 / 岡本、伊東、小林、伊藤)

・D.ポッパー:ハンガリー狂詩曲(岡本、上野、小林、伊藤、辻本、伊東)

【後半】
A.ピアソラ:ブエノスアイレスの四季
夏(伊藤、岡本、辻本、伊東、上野、小林)
秋(伊東、小林、岡本、上野、伊藤、辻本)
冬(上野、伊藤、伊東、辻本、小林、岡本)
春(辻本、伊東、上野、小林、岡本、伊藤)

【アンコール】
・映画「ニュー・シネマ・パラダイス」より愛のテーマ

・A.ピアソラ:現実との3分間

いやー、もうすごかった!

プログラム構成が素晴らしくて、前半は1曲5分ぐらいで終わるんです。ファンファーレとハンガリアン以外は、5人編成で終わるとソリストが後ろにはけて、次の曲は1プルトやってた人がソリストに、2プルトやってた人が1プルトに、みたいな感じでソリスト+カルテットの編成。みているこっちも景色が変わるので刺激的でいい。

まるでプラン9か、超新塾のお笑いのライブを見てるかのよう。

常に1人が降り番の状態。年取ってくると席の移動とかめんどくさくなるんだけど、なんせ若獅子だから。腰が重くないからね。

前半最後のハンガリアン・ラプソディーは、ソロパートを変えながらの演奏。そしてそれぞれがすんごいの。こんなすごいハンガリアン聞いたことない。

後半はブエノスアイレスの四季。

だいたいコンサートって、前半なり後半なりに眠くなるゾーンが訪れるもんなんだけど、今日のコンサートは、眠くなるときが一瞬もなかった!皆さんがすごすぎて、逆に目がギンギンに冴えてくる。

アンコールでは『ニュー・シネマ・パラダイス』の曲から。私、この映画を見たときに「すっごい感動するから!絶対見て!」と友達に渡されるも、期待値が高くなってたのもあるし、多感でもあり尖っていた時期だったのでクライマックス(詳しくは映画を見てください)で感動もせずに「ケッ」としか思わなかったんです。でも今日のこの音を聞いて、再びみたらきっと感動するに違いない。たぶん。

火垂るの墓も、となりのトトロも昔は泣かなかったけど、今見たら親目線になってるので、子供に何かあるような映画は泣いちゃうもの。きっと今なら感動できるわ。

もちろん前半も後半もすべて演奏が素晴らしかったんだけど、小林さんの編曲がまた素晴らしい。さっきから素晴らしいしか言ってないじゃない。

あと辻本さんの音量とトーク力と存在感がすごかった。全部持っていってました。

合間合間に2人1組になってトークをしてくれたのですが、

辻本さん
「僕はフィンランドにいたときに大阪出身なので、どうしても白味噌のお雑煮が恋しくなって帰国してたんだけど、伊藤くんは奈良だからお雑煮は白味噌のやつ?」

伊東さん
「あっ僕は奈良出身なんですけど、両親が名古屋なのでお雑煮は赤味噌のやつです。」

辻本さん
「えっ?赤味噌なん?お餅は焼いたの?」

伊東さん
「そうです。焼いたの。」

辻本さん
「ふーん、そうなんや。では次の曲に行きましょか。」

みたいな感じで後ろにはけてく。お囃子が聞こえてくるんじゃないかと思うぐらい、辻本さんの間の取り方とかめちゃくちゃ面白くて、完全に寄席みたい。チェロ漫談。子供も夫婦漫才みたい!ってキャッキャはしゃいでました。他にも、

辻本さん
「あのー、ぼくら練習して合わせるんですけど、みんな言うこと聞かなくて勝手なことしだすんですね…。いかに伴奏の方が僕たちの弱点をカバーしてくれてるか実感しました。」

辻本さんでトーク&ディナーショーやってほしい。めちゃくちゃ上手いし、面白いし。

あとハケるときに必ず伊藤さんがみんながハケるのを最後まで待ってハケるとか、胸にポケットチーフを入れてたのも伊藤さんだけで、そのあまりのかっこよさにクラクラしました。さすが英国紳士の国でチェロを習っただけあるわ。イケメンにチェロ持たせたら最強だなと改めて実感。

岡本さんもエリザベート国際で「チェロ界のハリーポッターだ!」と話題になったとおり、ハリーそっくり。ハリーポッターと賢者の石のラドクリフくんが岡本さんに入れ替わってても何の違和感もない。気分は完全に映画の世界。若獅子全員を組分けしたくなるじゃない(もちろん岡本さんはグリフィンドール、スリザリンが誰になるかはご想像におまかせします)。

若獅子達、エンドピンすべることもあったり、楽譜を落とすこともあったり、なんか微笑ましかったです。もちろんとんでもなく上手いんだけど。

楽譜も6人中3人(辻本さん、伊東裕さん、上野さんだったかな?)がiPadで見てました。かさばらないしいいですよねぇ。

今回、初めて東京文化会館の小ホールに行ったのですが、響きも素晴らしくて、席も半円形に広がる形で後ろでもすごく見やすかったです。高い天井にデコボコした壁。これはクライマーの人が見たら、絶対に登りたくなるやつ!なんて思いながら見てました。

こんなに時間があっという間に過ぎたコンサートは初めてかも。体感で最速記録です。アンコールも含めて、もう終わり?ってなりました。

今年最後のコンサートでこんな凄いのを見られて何とも幸せ。来年は12月28日に渋谷のさくらホールであるみたいなので、絶対に見に行きたいです。

タイトルに奇跡のチェロアンサンブルって書いてありますが、まさしく奇跡!
この場にいれた自分が幸せすぎる!ありがとう!チェロの神様!ってぐらいすごかった。

今年もチェロを通してたくさんの素敵な出会いがありました。そしてたくさんの素敵な曲に出会いました。

来年もみなさんにとって素晴らしいチェロライフが訪れますように願っています。それではよいお年をお過ごしください。チャオ。

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