ヨーロッパの旅7 ロンドンの楽器屋さん『STRINGERS』。

昨日からの続きです。

ロンドン2日目。

今日はロンドンのチェロっ子お母様と、朝9時30分にロンドンにあるストリンガーズという楽器店へ。パディントン駅から徒歩10分ちょっと。

ロンドンの楽器屋さん。ストリンガーズ。

元々はロンドンでマスタークラスを受ける予定で、こちらの楽器屋さんでチェロを借りる予定でしたが、先生とのスケジュールが合わずキャンセルになり、とりあえずいろんな楽器を試奏させてもらうことに。

ストリンガーズの店内

ちなみにレンタル料金は2日で4000円ほど。期間が長くなってもそれほど料金が高くならないので、分数チェロの場合、国際線で飛行機に持ち込むより、こっちのがお財布にも心にも優しいかなと個人的には思いました。

そして3本ほど試奏させてもらうことに。

低価格のチェロ、中価格のチェロ、最高級のチェロ。

聞いてみて思ったこと。

最高級のチェロ(フレンチのオールド)はめちゃくちゃいい音でした。その差は素人の私が聴いても分かるぐらい歴然。低弦も高弦もめちゃくちゃいい音。音が開いてるし、伸びるし。

そして我々が客観的に聴けるように、店員さんがバッハの無伴奏チェロ組曲第1番のプレリュードを弾いてくださいました。

最高級の楽器がよりいい音で響き渡っていました。なんとも贅沢。

もちろん低価格のものも、中価格のものもお店の方がしっかりと選ばれているのもなので、素晴らしい楽器でした。

店員さんも親切でとても素敵なお店でした。もしロンドンでマスタークラスを受ける予定があるけど、チェロをどうしよう…と悩んでいる方がいたらぜひぜひおすすめです。

そして楽器屋さんをあとにして、われわれが向かったのはここ↓

セント・メアリー病院

ピンときた人は英王室マニア。なんとここはキャサリン妃が出産されたセント・メアリー病院。たまたま通りかかったので、パチリとしておきました。

そして次はここ↓

フレミングがペニシリンを発見した場所。

ピンときた人は理科マニア。なんとここはペニシリンが発見された場所です。南方先生!ペニシリンです!

ここで理科が大好きな子供が大興奮しだす。

子供
「えっ?ペ、ペニシリンだよ!ねぇペニシリンだよ!お母さん!」


「うん。ペニシリンみたいだね。」

子供
「ペニシリンはねー、フレミングがシャーレで培養していた細菌の中に青カビを生やしてしまって、その青カビの中に含まれていたペニシリンがシャーレの中の細菌を殺菌し、殺菌された場所が溶けてしまったという現象から発見されたんだよ!」


「ふーん」

子供
「ここで発見されたんだ…(←なぜか遠くを見る)」


「ふーん」

子供
「さらにフレミングは鼻水や唾液の中に含まれているリゾチームという物質も発見したんだよ!それはシャーレの中で培養していた細菌を見ていた時にくしゃみをしてしまって、その中に鼻水が入ったのをほったらかしにしていたまま旅行に行って、帰ってきたらなんとシャーレの中で培養していた細菌が溶けてしまったという現象から発見されたんだよ!」


「ふーん」

だそうです。ちなみにあのフレミングの法則とはまた違うフレミングです。ペニシリンとリゾチームはアレクサンダー・フレミング、法則の方はジョン・フレミング。フレミングってそんなに何人もいるんですね。久しぶりにフレミングの手をしようとしたら「ゲッツ!」になってしまった…。

そして歩いてる道中で、ロンドンのチェロっ子お母様にロンドンの教育事情をいろいろと伺いました。

ロンドンの一部の公立中学校は試験を導入していて、そういう学校は本当に激戦だそうです。

もちろん学校にも人気や不人気があって、もし希望のところに落ちたら、どんなに遠くても別の学校をまた探すというシステム。ひぃー!大変!

そして学校でいじめが発覚すると、いじめた子は即退学!だそうです。

昔、動物園のバックヤード見学に訪れたときリスザルの小屋の前で、

飼育員さん
「集団生活をしているとリスザルにもいじめるのが出てきて、かわいそうだからいじめられた側を別の小屋に移したんです。」

飼育員さん
「でもそうするといじめる側はターゲットを変えてまた別のリスザルをいじめるんです。」

飼育員さん
「そこでいじめる側のリスザルを別の小屋に移したら、いじめがなくなりました。」

という話をしてくださったのを今でも覚えています。

日本の学校もいじめ問題が発覚したときに、守るべきものがズレていると感じることがあるので、これぐらいのペナルティがあってもいいんじゃないのと思いました。

そしてイギリスでは楽器が上手な子はとても評価が高いそう。なぜなら『自分で練習する』という努力ができるから。なるほど。

そのあとお母様とはお別れして、ウィリアム王子とキャサリン妃がお住まいのケンジントン宮殿があるハイドパークを歩いて散歩。

ハイドパーク

リードをつけていない放し飼いの犬がたくさん。知らない犬同士がお互いのお尻を嗅ぎ合って、なんとも平和な世界。

ハイドパークの愛犬家たち。

↑と思いきや数秒後に大乱闘がはじまります(あまりの乱闘っぷりに写真撮りそこねた)。放し飼いなので飼い主も諌めるのが大変そうでした。

そして

「あっ!池だ!」

とテンションが上がり、芝生を横切って近道をしようとしたら芝生の下はめちゃくちゃぬかるんでて二人でコケそうに。子供は靴裏だけの被害でしたが、私は片膝をついてしまい、

「忍者チェロっ子母さん、ただいま参上」

みたいなポーズをとってしまいました。

何してんねん、ロンドンまで来て。

「ワ〜オ!ジャパニーズニンジャ!グレイト!」

なんて声をかけられるはずもなく、ただただ失笑されました。

ちなみにチェロっ子母さんの必殺技は、

1.エンドピンストッパー(円型)を手裏剣のように飛ばして顔に当てひるんだところで、

2.楽譜の角でピシッ!

3.背負っている分数チェロのエンドピンでグサーッ!

の三段決めです。あくまでも妄想です。

「冬のヨーロッパの芝生はめちゃくちゃぬかるんでるので気を付けろ!」

恥ずかしいのを隠そうとして、どうでもいい格言を言ってしまいました。

こんなときに知り合いのチェロっ子母さんが「ウェットティッシュを持っていくといいよ!」と教えてもらい、日本から持参したウェットティッシュが大活躍。

まさかこのダイソーのウェットティッシュも買われたときには

「あーはいはい。お手拭き系のね、ありがちないつものお仕事させられんでしょ。」

なんて思ってたはず。

まさか膝についたロンドンの芝生の下にあるロイヤルなぬかるみを拭くなんて思いもよらなかったでしょう。ウェットティッシュも仕事のしがいがあるってもんよ。

靴は防水仕様の靴を履いてきたので、池で靴裏をチョイチョイ洗っていると、白鳥が寄ってくる…。

ハイドパークの白鳥

「どうもこんにちは。さっきそこの芝生でコケちゃって。えへへ。ちょっと洗わせてね。」

なんて言って洗わせてもらう。つつかれたり、攻撃的なことはまったくしてこなくて、洗ってる様子を優しく見守ってくれる白鳥さん達でした。さすがロイヤルな白鳥。



鴨が横断したり、

ケンジントン宮殿

ケンジントン宮殿を遠巻きに見たり(この日は一般公開されていなかった)。とっても優雅な時間でした。

楽器屋さんを案内してくださったり、ロンドンの教育事情を教えてくださったお母様に感謝です。

明日は

「ロイヤルカレッジの見学!学内カフェにまさかのアレが!」

の巻です。

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