2019年4月6日放送 SWITCHインタビュー 達人たち「パーヴォ・ヤルヴィ×かの香織」

たまたまテレビをつけたら、クラシック音楽館でよくみるあの顔がテレビに。

そうNHK交響楽団の首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィさん。

エストニア出身のヤルヴィさん。お父様は今でも現役バリバリの世界的な指揮者ネーメ・ヤルヴィさん。

エストニアは旧ソビエト領で、何も自由がなく暮らしていたけど、そんな生活からお父様が抜け出したいとアメリカに引っ越し。

あまりの自由さにびっくりしたのだとか。

ヤルヴィさんといえば、ベートーベンの第九ですよね。
ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団との演奏。冒頭のメロディーを聞くたびにゾワゾワして感動のあまり泣きそうになる。

ヤルヴィさん指揮の第九をはじめて聞いたときに「何だ!この第九は!めっちゃ早いけど、演奏がイキイキしてる!何かすごい!」

と衝撃を受けたのを覚えています。


ベートーベンに関しても作曲家が偉大すぎて、

当初はもっと第九は速いテンポで演奏していたけど、

まわりが巨匠感を出しすぎるあまり、楽譜に書かれた速さを無視してゆっくりと演奏しはじめたのではないかと。


昔のオーケストラは40人程度の編成だったけど、今は70~100人の倍の人数になり、

大人数で早いパッセージを合わせるのは大変だから、と。


オケの人数と楽器もベートーベンが作曲した時代に編成し直して、

ちゃんと楽譜の指示どおりの速さで忠実に演奏。

そうしたら演奏がイキイキしだし、曲が元のDNAに戻った、と。


確かにこれまでの他の第九は重厚で、荘厳な雰囲気でしたが、

ヤルヴィさんのは若々しくエネルギーに満ち溢れた第九です。

そうよね。楽譜の指示は守らないとね(テンポを無視してどんどん速くなるわが子にも聞かせてやりたい)。


「会ってみたい作曲家は?」と聞かれ、

「モーツァルトやベートーベンは私にとって、神のような存在だから逆に会いたくない」


「しいて言うならマーラーには会ってみたい。マーラーのリハーサル風景を見てみたい。

なぜなら彼はスーパーマンで、作曲家でありながら、その時代で最も名声を得ていた指揮者だから」

「彼がスコアに書いた記号の意味や、どういう演奏を理想としていたのか音楽的なことを聞いてみたい」


番組ではN響とのリハーサル風景も。

チェロセクションには、首席代行の桑田歩さん、次席の山内俊輔さん、

そしてN響アカデミー生の笹沼樹さんも映っていました。


オケ団員が音を間違えたり、自分と異なる音楽性でもまずはその音や声に耳を傾ける、そして話し合って音楽を作り上げていく。

ところどころに「ブラボー」と声をかけながら、ほめながら。

子育てにも通じるものがあります。

素敵だわぁ。ヤルヴィさん。


そしてインタビューの相手はなんとかの香織さん。歌手をされてきたような記憶があるけど、肩書に『蔵人』の文字が。ん?

番組を見ていたら、かの香織さんのご実家が宮城県にある1757年(宝暦7年)創業の造り酒屋。

そして今は12代目を継いでおられるのだとか。ビックリ!

東京での無機質な音楽生活に疲れ果て、東日本大震災もあり実家に帰ってきたら、

生命に満ち溢れる日本酒づくりにとても心が癒やされ、いろんなものが浄化されたような気分になったのだとか。

毎日、酒樽に耳をあて、お酒が発酵するときのポコポコっという音を聞いていたそうな。


今は被災したり、統廃合で無くなった学校の校歌を録音するプロジェクトの立ち上げもしています。

確かに校歌って年代問わず卒業生なら覚えているし、歌うときに当時の思いでが蘇ってきますよね。

小学校の校歌、フルではおぼえてないけど、聞いたら思い出すと思う。たぶん。たぶんね。

最後の締めのメロディーのあたりで、レから高いレへ1オクターブ急に上がるのがつらかった記憶が…。


何か情報量が多すぎて、ヤルヴィさん目当てで見始めたのに、いつの間にか、かのさんに釘付け!

そしてその日本酒は生命と同じみたいな話を、ヤルヴィさんが物静かに優しく聞いている姿にまたキュンキュンです。


NHKはインタビューやドキュメンタリーは本当にいい番組づくりをしますよね。

土曜日の夜に幸せな気分になりました。

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