2019年6月30日放送 関ジャム完全燃SHOW(4)『一流音楽家を輩出する東京藝術大学ってどんな場所?』東京藝術大学・音楽学部の入試って何をするの?

昨日からの続きです。


ここから東京藝術大学の入試について、唯一の国立総合芸術大学の入試にはいったいどんな課題が。

ヴァイオリニストのNAOTOさん
「国立なので、まずセンター入試というのを受けないといけないんです。」


そう。国立大学のセンター試験は必須。
東京藝大の受験科目は、

作曲家、指揮科、声楽科、邦楽科、器楽科は、
・国語
・外国語(英・独・仏から1つ選択)
の2教科2科目(400点満点)。

楽理科、音楽環境創造科は、
・国語
・外国語(英・独・仏・中・韓から1つ選択)
・地歴、公民、数学、理科から1または2科目
の合計3教科3~4科目(500点満点)。

センター試験の結果と、学科別個別試験の合格点で合否が決まるのだが…。



東京藝術大学の学科別個別試験

【作曲科】
専攻実技、聴音書き取り、楽典、新曲視唱、リズム課題、副科ピアノ、ピアノ新曲、面接

【指揮科】
専攻実技、楽典、副科ピアノ、和声

【声楽科】
専攻実技、 聴音書き取り、楽典、副科ピアノ

【邦楽科】
専攻実技、楽典、面接

【器楽科】
専攻実技、聴音書き取り、楽典、新曲視唱、リズム課題、副科ピアノ(※ピアノ・古楽専攻は副科ピアノなし)

【楽理科】
聴音書き取り、楽典、新曲視唱、リズム課題、副科実技、和声、小論文
・国語(国語総合、現代文B、古典B)
・外国語(コミュ1、2、3)※独・仏の選択可

【音楽環境創造科】
音楽1、2、3(※高等学校で使用されている音楽教科書から出題)
小論文、面接(自己表現)、800字以内の志望理由書


NAOTOさん
「ここからすごくこまかいんですけれど、一次試験、二次試験てのが各科あります。一次試験に通らないと、二次試験には進めません。そして合格になった人だけ、曲を弾いていいですよって三次試験にいきます。三次試験になると、副科ピアノだったり、ソルフェージュだったり、面接がある科は面接。それでやっと最終合格になります。」


例えば器楽科の第3回試験
・聴音書き取り(弾かれたメロディーを楽譜に書き取る)
・楽典(音楽理論)
・新曲視唱(その場で初めて見た楽譜で歌う)
・リズム課題(楽譜を見て手で拍を振り音名を読む)
・副科ピアノ(ピアノの実技)


例えば器楽科の場合、一次二次の実技の2日後の試験で上記をこなさなくてはいけない。実際どんなものなのか。
まずは『新曲視唱』という試験を声楽科の試験でも経験したという彌勒さんに実演してもらいます。

NAOTOさん
「与えられた譜面をポンと渡されて、2分間ほど見た後にそれをすぐ歌うっていうのが試験です。」

彌勒さん
「もうね、あれね本当に辛い。僕はめっちゃ苦手です。」

そして実際に出題された問題が登場。


古田新太さん
「この楽譜は本当に知らないの?彌勒さん。」

カズレーザーさん
「今見て、ってことですよね?」

横山さん
「絶対音感が必要って事になるんですか?」

NAOTOさん
「絶対音感はなくても大丈夫です。僕が初めのファの音を出します。」

弥勒さん
「参ります。♪ファソラシドレミソファ〜。」

そして歌い終える弥勒さん。

NAOTOさん思わず拍手。
「100点。音符だけを読むんじゃなくて一番最初にメゾフォルテってありますよね。中ぐらいって意味があります。そして一番最後にあるフォルテを見ておかないといけない。なので自分の声量を考えて、メゾフォルテから次メゾピアノ、そこからクレッシェンド、だんだん大きくする。途中でスラーが出てきます。この間で息がしんどいからといって息継ぎするのは許されないです。それでクレッシェンドをして、息をコントロールしながら…。で、その後もう1回いきなりピアノ2回と下げて、そこで音程がぶれないように。その後またクレッシェンドでだんだん大きくして、最後フォルテで。もうほんと素晴らしい!」

彌勒さん
「完璧な解説でした。ただひとつだけ言い訳じゃないんですけど、私が楽譜上の情報でちょっと無視したのが最初にテンポが48としてあるんですけれど、結構ゆっくりなんですね。なので今ちょっと番組用に少し早めに。」

カズレーザーさん
「いいんですか?勝手に変えて。指定を無視してるわけですよ。」

彌勒さん
「試験だったら減点される。」


続いてもう一つの『聴音書き取り』をNAOTOさんが実演。

NAOTOさん
「これがねー、聴音が一番難しいんですよ。」

彌勒さん
「僕個人は、新曲視唱よりも聴音は本当に苦手でした。」


この試験は4つの音でできた和音のメロディーを繰り返し聴いて、正確に譜面に起こさないといけない。今回は再生回数5回に設定。

関ジャニ∞の村上さん
「さ、じゃスタンバイよろしいでしょうか?では曲を聞いていただきます。」

NAOTOさん
「マジで静かにしてくださいね。」

そして5回、4つの和音(メロディーの長さは4/4拍子で4小節)が流れます。

NAOTOさん、まずは1回目で一番下の音から書き始めます。2回目で一番高い音を、3回目で2番目に高い音、4回目で2番目に低い音を。5回目は確認作業で間違ったところを修正します。

そしてNAOTOさん、見事正解!

NAOTOさん
「緊張した!」

もふくちゃん
「最初に一番下の音を聞いて、次に一番上の音。中の二つの聞き分けがなかなか難しい。音が近いから。」


一方でもふくちゃんの音楽環境創造科の個別試験は他の科と一風違うようで。

もふくちゃん
「面接での自己表現、これめちゃくちゃ簡単に言うと一発芸に近い。」

音楽環境創造科の面接(自己表現)は、下記の1~3のいずれかを選択し、制限時間内(5分)で行うこと。

1.演奏
(コンピューター・電子楽器も可)

2.パフォーマンス
(演奏以外の表現。複合的表現を含む)

3.プレゼンテーション
(楽譜などの作品・研究計画書など)


もふくちゃん
「でもこれ、関ジャニ∞の皆さんは得意だと思います。」

関ジャニ∞の丸山さん
「やります。得意です。これはテーマはあるんですか?」

もふくちゃん
「テーマもなくて、この1.2.3というこれしかないので、この中から選んで。普通にピアノ弾く方いますし。」

関ジャニ∞の村上さん
「複合的表現とは?」

もふくちゃん
「例えば、ぬいぐるみ持ってきました。こんな作品持ってきました、とか自分で持ってくる人とか。」

関ジャニ∞の横山さん
「ほんまに何でもありなんですか?」

関ジャニ∞の丸山さん
「コンテンポラリーダンスの方もいますか?」

もふくちゃん
「コンテンポラリーの方も多いです。演奏するのは何でもいいんで、例えば口笛で合格した人もいます。口笛世界一みたいな方、それこそ今どきのDJ機材持ち込んで合格した方もいます。」

関ジャニ∞の村上さん
「なるほどね。でも注意事項がございますね。」

自己表現の注意事項
・1人でできるもの
・セッティングを含めて5分以内で終了すること
・グランドピアノは用意されている。それ以外の楽器は各自持参
・パフォーマンスを行う試験場の床は一般的なフローリングである。床を傷つけないような演目、靴、衣装であること


もふくちゃん
「これ何でこういう風になったかって言うと、私は1期生なんですけど、私のときはこんな注意事項はなかったんですよ。要は全部何かやらかした奴がいる。で、毎年毎年注意事項が増えていく。」

関ジャニ∞の横山さん
「床を傷つけた奴がいるんですね。」

もふくちゃん
「水を使って水浸しにしたやつもいたり。」

カズレーザーさん
「何人か連れてきたやつもいるんだ。」

もふくちゃん
「例えば、自分の振り付けたダンスがある。見てください、どうぞ。みたいな感じでプロのダンサー連れて来たり。」



音楽環境創造科、自由すぎる…。でも自由すぎてどんどんルールが増えるという…。器楽科の新曲視唱も、聴音もすごかった!新曲視唱(漢字変換が本当にめんどくさい)で音符だけじゃなくてちゃんと記号や指定を見る!ってのはわが子に見せないとです。音符読めば譜読みできたと勘違いしてるから。

明日は『その存在は同じ藝大生から見てもレアポケモン!一学年定員2名の指揮科とは?』の記事です。それではまた明日。


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