激安チェロをカスタマイズ その1。自分でテールピースを交換してみる。
- 2020.11.06
- チェロ・カスタマイズ
どのメーカーのものを取り寄せるか伺ってみたら、ネットで買えるものばかりで、コロナ禍でなかなか人混みに行くのはハードルが高いってことでネットで購入。お値段は新品で77,000円。あらお安い。もちろん分数楽器でもいいものをと思うのですが、そんな余裕はわが家にないのですよ…。
で、その激安分数チェロが先日届きまして、けっこうちゃんと鳴るんです。鳴るんですけど、元の貼ってある弦はおそらく安い弦なのか、いかんせん音がよろしくない。
年末の番組で「ストラディバリウスと2万円のバイオリンを聴き分けろ!」みたいなのがありますが、「現地で生の音を聴いてないしわかるわけないじゃん」と思いながら、実はいつも気になっていのは張っている弦。
あれってちゃんと同じ弦を張っているんでしょうか?もし高額バイオリンはいい弦で、激安バイオリンは購入したままの弦だったらかなり音は違うはず。
弦楽器を習わせている身としてはそういう情報を書いてほしい。
そして逆にウン億円のストラディバリウスにめっちゃくちゃ安い弦を張った音と、2万円のバイオリンにめっちゃくちゃ高価な弦を張った音と聴き比べたい。
そんなことを思いつつ、今回はスピロコアを購入して、弦を交換しようとしたら、弦の根元部分がギッチギチでアジャスターのとこに入んない。弦が三本よってあって、しかもその部分に赤い糸でぐるぐる巻きつけてより肥大化してる。

で、やっと弾ける!と思ったら何せ弦がギッチギチに入っているのでアジャスターがまわらない。これはスピロコアが悪いのか、激安チェロのアジャスターが悪いのか、よくわからないので、予備用に買ったヤーガーのヤングタレント(なんか名前が恥ずかしいよね…)を開けてみたら、

ちなみに3本の弦を比較したもの。

スピロコア、ヤングタレントは何かギザギザが巻いてあってツヤあり。もともとついていた弦はなんか見た目がマットだし、手触りで違いがわかる。
質感も高い弦はちゃんと張りがあるんだけど、安い弦はフニャッとしてる感じ。こんなに違うもんなのね。
こりゃ音も変わるよわ…なんて思っててもアジャスターが調整できないことには今後が大変、子供がペグで音程調整とかかなりハードル高め。
「これは楽器屋さんでテールピースを交換してもらうか!」と思ったところで、
「いやまてよ…こんな安い楽器なんだから、自分で部品交換してみてもいいんじゃないの?」と思い立ちました。
そうです。なんせ母さん手作業大好き。車のオイル交換もランプ交換も玄関の鍵の付替えも自分でやっちゃうんです(というか頼むとめちゃくちゃお金かかるからケチなだけなんだけど)。だって今やネットでいろいろと見られる時代、どなたかがブログで書いてくれていたり、youtubeで作業工程を見られる時代。安い楽器なんだから自分で勉強するいい機会じゃん!と思いテールピースをネットでポチッ。
ちなみに買ったのはこちらの品↓ ウィットナー社製チェロテールピース。楽天のが1000円ほど安いです。4000円ほど。
で、テールピースが到着。


もしご自身で交換される方がいたら、ここからは自己責任でお願いします。安い楽器だから勉強できることもあるんですな。

ネットを見ながら駒の位置や、魂柱が倒れないように布で保護しながら、黙々と作業。


やった!これはいいぞ!
思っていたより簡単で作業は30分ほど。テールピースのエンドピンに引っ掛けているワイヤー部分、こんな仕組みだったのか…なんて思いながら。新テールピースはアジャスター部分も幅広めでスピロコアのギチギチ弦もしっかり入ります。あとはA線D線についてる透明チューブを取らないとだね…また弦を外さないとだね…。
音もめちゃくちゃ良くなりました。
「いずれサイズアウトするんだし、分数楽器にそんなお金をかけていられないわ…」ってお家、いらっしゃると思うんです。安い楽器でもいい弦を張れば、かなりいい音が出るようになります。
たまにテレビで弦楽器奏者の特集を見ていると「弦の張替えにウン万円。弓の張替えに何千円、メンテナンスにウン万円」とかあって、それを見ると本当に頭が痛くなるんですよね…。
新しい楽器が安くて7万円!っていうのも、もうかなり感覚が麻痺している証拠。だって7万円ですよ7万円。すごい大金ですよ。
もちろん借りている楽器、高価な楽器ならプロに任せるのはわかるんですけど、弦楽器を習っている親向けに最低限のメンテナンス講座(弓の張替えとか、駒の位置とか、魂柱の位置とか)とか開講してほしい。だって7万円で買った楽器にメンテナンスでウン万円とかって、ねぇ…。
で、最近買ったんですよね。これ↓

左から
エコノミー毛 275円
黒い毛 308円
高品質弦毛 550円
モンゴル最高級毛 1,540円
値段がこれだけ違うのかと思いつつ、一番安いやつの安さったら半端ない。
わが家には使っていない1万円のやっすいヴァイオリンがあって、その弓を練習台にして勉強するつもりです。
これから何年も習うと考えたら、工具を買って自分でやったほうが全然安い。すぐに元取れる。
「お母さん、今回はちょっと毛多めに、モンゴルのやつで」
「あいよーっ!毛多め、モンゴルのやつ、よろこんでっ!」
なんて会話する日がくるのかな…。
ちょっと楽しみ。
またやってみたらアップします。(いつになるやらなので期待しないでください)
【これまでにかかった費用】
・分数チェロ本体 77,000円
・弦(スピロコア 4本セット)12,696円
・テールピース(ウィットナー)5,722円 ← アマゾンで買ったけど、楽天で買えばよかった…
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