コンクール提出用のビデオ撮影と録音。
今年の学生音コンや日本音コンも急遽、審査されるんだかどうなんだかわかんない動画提出方式も追加されてみなさんバタバタです。
最近、知り合いの方から
「高いマイク買ったほうがいいですか?」
「プロの技師さんを呼んでホールで録音したほうがいいですか?」など、こういったご相談を受けることが多くなってきました。
聞くと動画提出用のためにホールを借りて、プロの技師さんを呼んで、なんだかんだでけっこうな高額な料金に…。
経済的に余裕があって、出費をいとわないご家庭なら問題ないと思います。
お教室や学校単位でホールを借りて、時間で区切り、密にならないように工夫して撮るのもそれほど負担にはならないのでいいと思います。
が、日々のレッスン代、楽器のメンテナンス代、弓の毛替え、弦の交換、伴奏の先生への合わせ&本番のお礼などなど、もうかなりな額を費やしているはず。今までのを累計したらそれはもう頭が痛くなるぐらい。わが家も考えたくない…あぁ過去は振り返りたくない…。
これから動画審査が主流になっていくかもしれないときに、個人個人が審査動画のために毎回毎回お高い料金を支払うのか…。
いろんなコンクールが動画提出に切り替わって、その説明を見ていて思うのは、
学生音コンや日本音コンの提示している映像審査の規定、もう少しちゃんと書いたほうがいいんじゃない?…というような内容。
こちらが学生音コンの映像規定要項です。アングルの指定は楽器ごとあるのですが、チェロは載ってないんですけど…↓
https://gaccon.mainichi-classic.net/eizo(引用元:映像審査について(全日本学生音楽コンクール))
ここから↑のページを引用してみます。
【予選】
1.YouTubeに限定公開でアップロードし、URLを所定の応募フォームに入力して提出すること。応募フォームは参加申込受付終了後に参加者に個別に通知する。提出後の動画の差し替えは認めない。動画のタイトルは申込受付後に通知するユーザーIDとし、氏名等は入力しない。
はい。
2.未編集のものとする。映像と音声は同時に収録すること。演奏中の手の動きと音が一致していないと判断された場合は、審査の対象外とされる場合がある。
演奏中の手の動きと音って、カメラやマイク位置によってかなり変わりますけど…。極端に言うなら大きなコンサートホールの後ろは動きと聞こえてくる音がずれてるもんですし。
3.複数曲を演奏する場合はカメラを止めずに続けて演奏し、ひとつの動画に収めること。演奏時間が定められている場合は、規定の時間内に収めること。
これも特に問題なし。
4.ビデオカメラに音声ボリュームを自動的に調節する機能が付いている場合は、演奏の抑揚が無くなるため、使用しないこと。音量が極端に小さ(もしくは大き)かったり、雑音が入ったりしてはならない。
これも特に問題なし。
5.このコンクールのために新たに収録したものとする。応募フォームに収録日、収録場所を明記すること。
これも特に問題なし。
6.演奏前後のお辞儀などは映像に含めない。服装等は自由とする。
服装は自由で ← 一番めんどくさい指定。「結婚式の平服で」くらいめんどくさい。こういう書き方をするなら「ドレスほどではないけれど、審査するので、人前で演奏しても恥ずかしくないような服装で」ぐらい書いたほうがいいと思います。
7.審査は匿名で行われるため、演奏者の氏名が映像及び音声の中に記録されてはならない。個人が特定できる物や審査に必要のない物はできる限り映り込まないようにすること。
匿名?映像で見たら、だいたいどこのお教室の〇〇さんってわかりますよ。審査が匿名なのであれば音声だけでいいはず…。
とまぁ思うことたくさん。
個人的に思うのは、
スマートフォンで撮影したものでもかまいません(外部マイクをつけるとなおよし)とか、
自宅で撮影したものでもかまいませんとか、
録画・録音の精度によって審査結果に影響することはありません、
とかちゃんと明記しないと、
「〇〇さんのところはプロの業者さんを呼んでやってるから」と、どんどん過熱して得をするのは映像業者だけです。日本音コンや学生音コンはただでさえ過熱気味なんだからこそ、ちゃんと書かないと。
オンラインコンクールの全日本eピアノコンクールなんて、わざわざ動画で説明してくれていて、
スマホやタブレットの撮影でも大丈夫、
音源の良し悪しが審査に影響することはございません、ってちゃんと説明してますよ。
こういったアクションが運営側からちゃんとあるとどれだけ親御さんが救われると思って。
ホール予約して、プロの業者が来て、その時間内にいいテイクが撮れなかったらどうしますか?
新型コロナの影響でこの状態がいつまで続くかわからないのに、毎回出費してたらきりがないです。
ましてや新型コロナの感染予防のためにこういった形式になっているのに、それのために外出してって事自体が本末転倒。
ホールでも自宅でも、プロの技師さんが撮ろうが自分が撮ろうが、結局演奏力はわかります。
そしてどんだけいい音でとっても、それを見るための機器(パソコンやスマホ)のスピーカーが悪ければ意味ないです。
そんなことで過熱しないようにコンクール運営側がもっと明記すべき。
学生音コン、日本音コンはただでさえ大変なコンクールなのに、急遽動画を提出しろだの何だのそれに対応しないといけない親御さんが今、本当に大変な思いをされています。
最低限、スマホやタブレットに三脚つけて、5000円ほどの外部マイクを取り付けて、それで十分綺麗な映像と音が撮れます。
これだったら「ちょっと今日はいい感じだから録音してみようか」とか無伴奏ならだいたい自宅でできますからね。上手くいってもいかなくても、何度も録り直せます。
三脚はこんなの↓
外部マイクはこちらのメーカーの評判がいいです↓
通常コンクールで、動画提出が事前にわかっていて、なおかつ新型コロナ感染などの影響がないときなら何も思わなかったでしょうが、今回は急遽こういった形式になり、あまりにも困っている親御さんが多いのにも関わらず、それに対する運営側の審査動画規約の提示があまりにも不親切なので、思ったことを書きました。
たまに真面目な話もするのよ。
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